デベロッパーズサミット2008に行ってきました。

2月13日と14日の両日とも目黒の雅叙園で開催されたデブサミ2008に行ってきました。

最初は有給で行くことにしていたのですが、やっぱり業務として行くことにしました。
ちなみに、業務として行くとレポートを書かなくては行けないのです(´・ω・)
「業務で行っても良いですか?ダメな場合は有給で行きます」
→どうせ会社に居ないならレポートが出る分業務のが(・∀・)イイ!!
というわけで業務で行きました。

今回はランチセッションも含めて14セッションを見てきたのでレポートの量がヤバス・・。
とりあえず思った事は外国人はプレゼン上手だなーと思いました。。
来週のGDCで弊社でもいくつか発表がありますが、なんていうか・・レベルが違います。
プレゼン技術は今まで見た中で一級品でした。Joel Spolskyさんって人なんですけどね。

ジョークも織り交ぜながらのトーク。おもしろかったです。
最初は「僕の話は退屈だろうから、パワポにベッカムの奥さんの資料を載せておきますね。綺麗な彼女を見ながらリラックスして聞いてください。あ、セクシニストじゃないって人のためにこちらも用意しました。旦那のベッカムです。」と、会場で笑いを取るのですが、ベッカムをきっかけに話を広げていきます。彼よりも優れた選手は同じチームに居るのになぜ彼が注目されるのか?というものです。

ここで彼はiPodとMSZuneの比較をしました。前者をBlueChip、後者をOffbland。とびっきりの一級品と安物の流通品という和訳で比較をしていきます。

セッションを簡単にまとめると、TheFormula理論というものがあるそうです。

  • 人を幸せにする
  • 感情を考慮する
  • 美学にこだわる

これらはどういう事かというと、人を幸せにするというは、コントロール権や主導権をユーザーに与えること。
決済画面を例にして、ウィザード形式の方法と米国アマゾンのような決済画面(1画面に全て収まっている)では前者はユーザーにコントロール権がないことに対し、後者はユーザーに主導権がある事を言ってました。
コントロール権を持っているとユーザーが自覚するのは、フィードバックが0秒である事が必要だ。とも言ってました。

次に感情を考慮するということ。
米国の車とTOYOTAの車を比較して、米国の車のが車高は高いし、云々と危険性を示しました。そして安全であるという事を理解してもらうにはどうしたら良いかを相談したそうです。その答えは「人が安全を感じるのは、丸みを帯びていて近くに暖かいものがあることだ」。小さい頃親にだっこしてもらったり暖かいミルクを飲むと安全であるという事から来ているそうです。その車は「車は丸びていて、運転席の近くに暖かいドリンクを置く場所があって、車高が高いという事は上から人を見下ろせるから安全だ」というような謳い文句で売り出したそうです。ここのポイントは、車高が高いのは転倒の危険性が高いからという事だが、誤帰属によって勘違いをさせているという点です。
誤帰属(misattribution)とは、簡単に言うと原因が違うところにあると勘違いをする事です。
例を挙げると、デートでお化け屋敷に行ってドキドキした。これは恋のドキドキだ。というようなものです。

ちなみに、丸みを帯びて安全というところで、「なるほど。MSもこれを真似したのですね。」Windows2000の画面を出して、次にXPのLunaを出して「確かにウィンドウが丸みを帯びてますね。安全です。」とジョークをかます・・。

最後に美学にこだわるということ。
なぜiPodが売れてZuneが売れないか。iPodはシームレスなデザインです。電源も交換できません。一方のZuneはバッテリーは交換できます。しかしバッテリーの交換が出来るという事は本体のデザインは電源カバーの部分がどうしても取り外しができるようにつなぎ目が出てしまいます。ソフトウェアやハードウェアの製品を大まかな要素に分けると、見える部分と中身に分ける事ができます。モダンなアーキテクチャ(無駄な装飾の排除)は確かに合理的です。UNIXのコマンドラインシステムとウィンドウシステムが良い例です。しかし、ユーザーは無駄なデコレーションを好む傾向にあります。まだまだユーザーは無駄な装飾に飽きていないのです。

これらを考慮すると、よく分からないけどなんとなく楽しい感じを与えられる。という事です。

この人のプレゼンが凄すぎて言いたい事が上手くまとめられないな(´・ω・)
実際にプレゼンを見ろ!としか言いようがないw

後印象に残ったのはモバゲータウンの人の話です。コミュニティの健全化についてのシステマティックな話と、インフラ構成。Apache130台にMySQLサーバ200台だそうです。サーバの構成はCentOS4.4, Mem16GB, MySQLのバージョンは5.0、Master/Slave構成をとっておりMasterはRAID01でSlaveはRAID1だったかな・・。コミュニティの健全化については大変興味深かったです。

あとはRIAのパネルディスカッションでAdobeの部長さんが言った「リッチとはUIを立派にする事ではない。それは本質を見誤っており、本質は目的が何であるかを見定めなければならない。目的に応じて使いやすい物にすること」が印象に残りました。その目的とは、業務アプリの場合はユーザーの生産性を高めたり、インターネットに公開している場合はアクセス数をアップしたい。等々。MSの人は「ユーザーエクスペリエンス」と言ってました。ユーザーエクスペリエンスって言葉わかりにくいんですよ・・。要は「人が気持ち良く、効率よく使える」という事です。
また、マルチプラットフォーム対応という言葉は一つの成果物が複数のプラットフォームで動作する事であり、複数の成果物を複数のプラットフォームで対応させる事はマルチプラットフォーム対応とは言わないと言ってました。φ(`д´)メモメモ。当然な事だけど、そうではない意見も持ってる人が居るので・・・。
リーディングカンパニーの役職クラスの人が言うと説得力があります。

あとはPerforceのセッションくらいですかね。
弊社のGDCのリハーサル等を見て思った事は、どうやら「ゲーム業界の人はポロリ話が好き」という事です。
スライドには載せないけど、口頭でポロポロっと言っちゃいけない事を言います。このセッションも言っちゃいけないこと言ってました・・。
PerforceっていうのはSCMの製品なんですけど、他の有名なやつは・・CVS, VSS, Subversion, PVCS, ClearCaseあたりですかね。
Perforceというのは、Googleも採用しています。世の中の殆どの製品はバイナリファイルの扱いが弱いです。またリビジョン数が億単位になったり、レポジトリのサイズがテラバイトになってくると、使い物にならないくらい遅くなってきます。まぁ・・規模が大きくなく、コミットする人数が限られ、プログラマしか使わないのであればSubversionで十分事足ります。
しかしテクスチャファイルやモーションデータ、モデルデータも扱うとなると話は変わります。(バイナリデータは差分取る必要なくね?って話は本質ではなくて、差分が必要だからコミットするわけではなく、バージョニングのリソースを一括で扱うこと、バージョニングの履歴を取ることが本質だと思います。)

さて、SCMには必ずと言って良いほど、チェックアウト、チェックイン、アップデート、コミット、排他ロック、ブランチ、マージなどの概念の理解が必須です。プログラマにとってその概念を理解することは簡単です。またプログラマはテキストファイルを主に扱うので差分やバージョニングされる事に対して利便性を感じやすいです。しかし、アーティストにその概念を教えるのは大変な事です。
外国ではプログラマ以外に使わせる場合、そういう問題は発生しないのか?と質問をしたところ、それはどのSCMベンダーでも課題のようです。
PhotoShopのプラグインにしても、メニューに直接checkout, checkinとか表示してたら(ノ*・ω・)ノ ワケヽ(・ω・*ヽ)ワカ ヽ(*・ω・)ノラン♪と思うのですが・・。
ちなみに、名刺交換をしたら「OH.. ○○社の人ですか。昨日XXさんと話したよ!! やっぱり同じ事おっしゃってました」と言われましたorz
そうだった・・XXさんは窓口でしかもうちの会社Perforce導入してるんだった。

あとはユーザー会をグルグル話を聞いて名刺交換とかしてました。
全てのセッションを回ったので全然ブース見れなかった(´・ω・)

続きはレポートを書いてから適当にちらほらと書きます。
新しい刺激を受けられるのでこのイベントはおすすめです。
平日なのがネックですが・・。ちなみに13日のお昼は叙々苑でランチ食べました。
キムチ嫌いなのに頑張って食べたせいで気分が悪く・・。

目黒雅叙園や坂が懐かしいとみんなが言っていた意味がわかりました。
アルコタワーが隣にあるんですね。(会社が引っ越す前(合併する前)はアルコタワーだったらしいです。)

 

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